David Copperfield

David Cooperfield 24,770 words

個人的評価 8 out of 10

 

感想:なかなか味のある話です。前半は主人公のひどい境遇が語られ、読んでいるうちにかわいそうだからやめてくれよ・・・って思わずつぶやいてしまうほどでした。とんだ胸糞ストーリーかと思いきや、物語が進むにつれてハッピーストーリーに近づいて行った印象です。ただ、最後の方の話は自分でも消化しきれない部分があり、読み終わった後自分でもしばらくそのことについて考えてみたのでここに書いてみようと思います。細かい説明は省きますが、Emilyという女性がいて、彼女には幼いころから同じところに孤児のようにして引き取られたHamという男がいて彼らは婚約することになりました。そこに現れたのがSteerforthという男。彼はEmilyに惚れてEmilyを口説いてともにイギリスを出ていってしまいました。実はこのSteerforthという男はいろいろ訳アリで、主人公のDavidが彼を子供のころ尊敬していて、DavidはEmilyに昔Steerforthのいいところをよく語っていたのでEmilyはそのときSteerforthのことを好きになっていたのです。その気持ちがずっと続いていたということはないでしょうが、そのときの感情が決断に影響を及ぼしたのは間違いないでしょう。Steerforthに口説かれたEmilyがHamのもとを去るときにHamにあてた手紙が以下です。

 

 Dear Ham

 Please,please,forgive me for running away and leaving you. When you see this, I'll be far   away. I shall never return to my dear home unless he marries me and brings me back as   a lady. Oh, I'm sorry, and so ahamed! I know this will break your heart, but believe me,   I'm not good enough for you! I'm too wicked. Tell Uncle I'll always love him, even if he   can never love me again. And I'll always think of you, dear Ham, even if you hate me for what I've done. Forgive me, and goodbye!

 

Emily

 

 

どうでしょうか。見事にEmilyは不倫したのですが、皆さんどう思われましたか。自分は正直言ってこの手紙、意味が分かりません。3分目の文が無責任すぎてとても不倫をする人の文章には思えないのです。いろいろとこの手紙には闇があるな、と自分はかんじました。つまりEmilyはこの手紙を本心から書いたのではなく、Steerforthの介入を受けて書いた手紙だと思うのです。これ以前の描写からSteerforthは賢く、計画的にEmilyを自分のものにしようとしていました。だからこれも彼の計画の一部だと思うのです。